スポーツとドレスを併せ持つパルミジャーニ・フルリエの新作「トンダ PF」コレクションを披露
スポーティーモデルの「トンダ GT」と「トンダグラフ GT」でイメージを大きく変えたパルミジャーニ・フルリエ。今回リリースされたのは、同じケースとブレスレットを持ちながらも、よりドレッシーに振った「トンダ PF」コレクションだ。
トンダの文字盤デザインを一新
2021年にCEOとなったグイド・テレーニは「パルミジャーニはニッチである」と明言し、今後「パルミジャーニらしいモデルをリリースする予定」とクロノス日本版のインタビューで語った。そんな彼が作り上げたのが、新しいドレスウォッチの「トンダ PF」である。ブレスレット一体型のケースは、大ヒット作の「トンダ GT」や「トンダグラフ GT」に同じ。しかし、文字盤からはブランド名が省かれたほか(PFのロゴしかない)、文字盤をグレー(SSモデル)、ブルー(18Kローズゴールドモデル)にすることで、時計全体をモノトーンにまとめ上げた。分かる人にしか分からないのは、なるほどニッチだ。H.モーザーが採用したこの手法を、まさかパルミジャーニが倣うとは予想もしていなかった。
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF マイクロローター」
(左)自動巻き(Cal.PF703)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径40mm、厚さ7.8mm)。100m防水。。
(右)自動巻き(Cal.PF703)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KRGケース(直径40mm、厚さ7.8mm)。100m防水。
「トンダ PF」はケースとブレスレット、そしてムーブメントの大半が「トンダ GT」や「トンダグラフ GT」に同じである。しかしテレーニ曰く、「PFコレクションは、すべて完全な自社製ムーブメントを載せている」とのこと。そのためクロノグラフのムーブメントはトンダグラフ GTと異なり、自社製自動巻き+クロノグラフモジュールから、自社製一体型のCal.PF070に置き換えられた。
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF クロノグラフ」
(左)自動巻き(Cal.PF070)。42石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.4mm)。100m防水。
(右)自動巻き(Cal.PF070)。42石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ12.4mm)。100m防水。
キャラクターの違いは、ケースの素材にも見て取れる。SSモデルはベゼルがPt製になり、他にも18KRGケースが用意された。また、あえて3針モデルは用意されず、ブランド時計コピー 代引きコレクションの中心となるのはマイクロローターの自動巻きを載せた2針モデルとなる。強いて言うと、スポーティーに振ったトンダ GTおよびトンダグラフ GTに対して、トンダ PFは新時代のドレスウォッチ、と言えるかもしれない。
実物を見たわけではないが、トンダ GTとトンダグラフ GTを触った印象でいうと、自社製(正しくはグループ会社製)のケースやブレスレットの仕上げは文句なしに優れているはずだ。また、グレーとブルーの文字盤にも、おそらくはパルミジャーニらしい、繊細な下地処理が施されているはずだ。長年、パルミジャーニは際立って優れた文字盤を採用するにも関わらず、その色に対してはかなり保守的だった。しかし、近年は一転して、様々な色に取り組むようになった。トレンドを考えれば、鮮やかな色のほうが受けはいい。あえて落ち着いた中間色を採用したのは「ニッチ」を強調したいがためだろう。
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF アニュアルカレンダー」
(左)自動巻き(Cal.PF339)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ11.1mm)。100m防水。
(右)自動巻き(Cal.PF339)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ11.1mm)。100m防水。
用意されたのは4モデル。マイクロローター自動巻きの「トンダ PF マイクロローター」、年次カレンダーを搭載した「トンダ PF アニュアルカレンダー」、一体型自動巻きクロノを載せた「トンダ PF クロノグラフ」と、その上位版である「トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ」だ。なお、全てのモデルが一体型のブレスレット付きなのは面白い。
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF スプリットセコンド クロノグラフ」
(左)自動巻き(Cal.PF361)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。Ptケース(直径42mm、厚さ15mm)。100m防水。世界限定25本。
今後のパルミジャーニを占う試金石となるトンダ PF。正直、その価格はかなり野心的だ。しかし、作りは相変わらず優れていると予想できるし、控えめなブレスレット時計という打ち出しも、現行品ではほぼ唯一だ。ありきたりのブレスレットウォッチに惹かれない好事家たちの興味を引くことが出来たら、このモデルは、パルミジャーニの未来を大きく変えていくに違いない。
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