■12・17(土)横浜文化体育館(15:00)「Winter's Soleil」

■第8試合/メインイベント 〜PRINCESS STONE杯 ボクっ娘vsオレっ娘エース決戦
蒼樹玲奈 vs 九条清美
※この試合の勝者には、D.I.A.コミッショナーより「PRINCESS STONE」が授与されます。


ボクっ娘vsオレっ娘頂上決戦!
それはDIA2006年への道しるべ


 復活後のDIAマットにおいて中心選手のひとりと言える九条清美。
 再旗揚げ戦のメインでは、浜岡奈々緒とのシングルに勝利。もともと2004年秋から、アジアヘビー王者決定トーナメント優勝、QOJでも愛沢美奈子から勝利、など実績を着実に積み上げていた。
 その九条清美が、新生DIA2005年の最後を締める試合に登場。メインイベンターとして、実績・地力・人気揃って上がっている証だろう。
 これに対するは、現在のDIAにおいて大きな壁となっている蒼樹玲奈。タッグではビューティ美奈とのボクっ娘同盟で存在感をアップしているが、シングルでも急成長中の藤崎藍に厳しさを見せ付けるなど、5年めらしい円熟味を見せている。
 この、現在のDIAでのトップ対決といえるメインイベントで、くしくも「ボクっ娘vsオレっ娘」という構図があるのもまたDIAらしいトコロ。
 ここで清美が勝利すれば、名実ともに、現在のDIAのエースといっていい存在となる。
 そして、勝者に与えられる「PRINCESS STONE」とは何なのか?
 そんな状況のなか、2005年最後のメインイベントが今、幕を開ける!

 試合開始直後、様子を見合ってにらみあうふたり。
 まずは蒼樹がエルボーを連発するが、組み付いた清美がロープに振る…と見せかけておいて、いきなりワキ固めで蒼樹をテイクダウン!
 3分過ぎにも蒼樹の攻めを切り返して三ヶ条投(ハンマーロック)を決めるなど、まずは清美がテクニックを見せつける流れとなる。

 しかし5分過ぎ、清美がキックを打ち込んだところで、耐えた蒼樹が見事なドロップキックから反撃開始! 一気にコーナーへ駆け上がってからのミサイルキックで、清美を反対側のコーナーまで吹き飛ばす。
 さらにコーナーを背に座り込んだ清美に、串刺し式のドロップキック!
 たまらず清美が場外へ逃げ込むが、そこでコーナーに駆け上がった蒼樹が、トペ・コンヒーロで清美に大打撃。
 得意の空中殺法で、蒼樹が一気に巻き返す。

 そしてリングに清美を戻したところで、蒼樹が見事なムーンサルトプレス!
 カウントが入り、1、2……2.8!
 ここは清美がどうにかしのぐ。

 一気に攻め込もうとする蒼樹だが、組み付いたところで清美がまたも切り返し、意表をついた逆さ押さえ込み!
 これは返した蒼樹だが、ここで清美が蒼樹の背中に組み付くや、なんとキングコブラホールド! 普段あまり出さない大技で、蒼樹のスタミナを奪いにかかる。

 ペースを握り返した清美、10分過ぎにはキックのラッシュで攻勢。蒼樹の膝など危険な関節へもキックを打ち込み、足を殺しにかかる。
 そして蒼樹の反撃を誘い、一気に足を取ってテイクダウンしながらアキレス腱固め! 蒼樹が思わず悲鳴をあげるが、なんとかギブアップは耐える。そしてどうにかロープへとにじりより、歓声のなか、ついに逃れることに成功する。

 しかしダメージが大きいのか、足を押さえダウンする蒼樹。
 これを見た清美は、ガッツポーズで「行くぞぉ〜!」とアピールしてから、足を取りにかかる…が、ここで蒼樹も切り返し、蹴り上げてから起き上がり、低空ドロップキックを清美の膝へ打ち込む!
 しかし、ふらついた清美も倒れず、もう1度ローキック!
 それでも蒼樹も意地で倒れず、強烈なエルボーで清美を弾き飛ばす!
 清美がロープへ倒れこむなか、蒼樹が気合を入れてロープへと飛ぶ。
 ところが、清美も叫びとともにロープの反動をつけて、なんと飛び込む蒼樹へと、カウンターのフロントキックを顔面にぶちこむ!

 意地の張り合いの末、ある意味番長らしい蹴りで蒼樹を蹴り倒した清美が、その勢いで体重をかけて押さえ込み、カウント1、2………3!!!

 蒼樹がなんとか肩を上げようとするが、間に合わず3カウント!
 九条清美が、意地の張り合いとなったタイマン勝負を制し、2005年最後のDIAマットでの勝者となった。


▼60分1本勝負

九条清美

14分57秒 オレっ娘番長キック

蒼樹玲奈


■試合後
 勝ち名乗りを受けた清美が、レフリーから腕を上げられる。
九条清美 「やったよ! オレ、勝ったぞー! オレっ娘が、一番萌えて強いんだ〜!」
 マイクを取るや、腕を振り上げ喜ぶ清美。
 と、そこで、突然音楽…「dissonant chord」が鳴り響く。
 入場ゲートに現れたのは、少し紫がかったシルバーブロンド気味の短い髪に、シンプルなメガネをかけた、理知的な雰囲気を漂わせ、高貴な雰囲気の白いドレスに身をまとった少女。
 彼女は、D.I.A.のオーナーであり、コミッショナーでもある、ケイト・パーニーである。
 うやうやしく入場してきたケイトが、リングに入り、マイクを取る。

ケイト・パーニー 「みなさん、はじめまして。D.I.A.のオーナーであり、コミッショナーでもある、ケイト・パーニーです」
 どう見ても外人なのだが日本語が流暢なケイト。
 有無も言わせない、凛とした雰囲気を持つ彼女に、拍手が送られる。
ケイト・パーニー 「清美さん、蒼樹さん。新生DIAの2005年を締めるにふさわしい、見事な戦いでした。そして、その勝利を祝って、プレゼントがあります」
 そう言ったケイトがふところから取り出した宝石箱。
 それを開けるや、中には大きくて丸く、真紅の輝きを持つ宝石が入っていた。
ケイト・パーニー 「これは、とある地方に伝説として残っている、最強の戦士を示す証…その名も『PRINCESS STONE』です」
 おおお、となんだか凄そうな展開に、歓声が上がる。
ケイト・パーニー 「清美さん。今日の戦いを制した貴方には、この宝石を手にする権利があります。…受け取ってくれますね?」
九条清美 「おう! もちろんだぜ!」
 すると、それまでずっと無表情だったケイトが初めてにっこり、と微笑み、清美へと真紅に輝く宝石を手渡す。
 歓声と拍手のなか、宝石を受け取り、掲げてアピールする清美。
 穏やかな笑顔を浮かべたケイトも、ひとしきりの拍手で清美を称える。
九条清美 「ありがとう! オレ、これからもがんばるよ! みんな、応援よろしくな!」
 おおー! と拍手が送られるなか、ケイトがふたたびマイクを取る。
ケイト・パーニー 「がんばってください。…守りきってくださいね。その、“『ひとつめの』PRINCESS STONE”を…」
九条清美 「え?」
 何かに気づいた清美が、ふと宝石を見つめる。
 その様子がアップでスクリーンに映し出されるなか、宝石の表面には、『I』というローマ数字が書かれている。

??? 「そう! 『PRINCESS STONE』は、ひとつでは無いのです!」

 ドドーン! と突然音が鳴り響くなか、入場ゲートに現れたのは、少し長めの、ウエーブがかかった髪をなびかせ、天使のような、高貴な雰囲気の白いドレスに身をまとった女性。
 その姿は…かつてDIAのマットに上がっていた、ミヤモト・ヨーコ!?

ミヤモト・ヨーコ 「『PRINCESS STONE』…私がとある地方を旅行中に巡りあった、神秘の宝石。その石を7個すべて手に入れた者は、最強の証を手に入れると同時に、どんな願いでも叶うと言います…」

 なんだかますます凄そうな話になってくる。
 それでも、こういう話に弱い清美は、目をキラキラさせてミヤモトを見つめる。

ミヤモト・ヨーコ 「そして、この『PRINCESS STONE』の声を受けた私は、『裁定者』として、これからこのマットで始まる、7つの『PRINCESS STONE』を巡る闘いを裁定することになりました」

 少しタメを作ってから、ミヤモトが口を開く。

ミヤモト・ヨーコ 「石には、それぞれ能力と格があります。そのなかでも、もっとも高い格を持つ、“強さの石”…それが、今、清美さんが手にした『STONE I』です」

 自らの手にある石、『STONE I』をあらためて見つめる清美。

ミヤモト・ヨーコ 「残る6つの石…『STONE II』“浄化の石”、『STONE III』“活力の石”、『STONE IV』“時の石”、『STONE V』“友情の石”、『STONE VI』“緊迫の石”、『STONE VII』“勇気の石”。これらの所有者は、来年…2006年のこのマットで明かされるでしょう。そして、手にした者も、手にできなかった者にも…このマットで闘うすべての戦士たちに、すべての石を集める権利はあります。…どうか、来るべき戦いに向けて、今はよりいっそうの精進を…それでは…またお会いしましょう…」

 入場ゲート前にスモークが吹き出され、穏やかな微笑み浮かべながら姿を消す“裁定者”ミヤモト。
 あまりに予想外な展開で締めくくられた2005年のDIAマット。
 それは、2006年の新たなる戦いへのスタートラインだった!


■試合後のコメント
 いちはやく、先に引き上げてきた蒼樹。
蒼樹玲奈 「今日は、ボクの完敗です。強いことはわかっていたけど…思っていた以上に、力強かったです。…でも、今度戦う時は、負けませんよ! 今日は、本当にありがとうございましたっ!」

 一方、『PRINCESS STONE』を手に入れ、帰ってきた清美。
九条清美 「うはっ、やったぜ。やっぱりオレが『最強の萌えっ娘』って証明できたぜ!」
 それはどうかと思うのだが、当人は嬉しそうに引き上げてくる。
九条清美 「で、でも……あの聖なる石はまだ6つもある。その戦いを乗り切って6つの石を全部いただきだぜっ!」
 なんだか異様に盛り上がっている清美。
 その傍らにいる紗枝が冷静にツッコミを入れる。
蒲池紗枝 「清美さま? 全ての石を集めて……願い事はあるのですか?」
九条清美 「うっ……それは、まだ考えてなかった。(汗)」
蒲池紗枝 「ですが、あの石……もしかすると呪われているかも。7つ集めるととんでもないことになりそうな気がしてなりません。」
九条清美 「紗枝ちゃん、考えすぎだよ。オレのゲームやりすぎたって〜(汗)」
蒲池紗枝 「なんか〜、清美さまが呪いに飲み込まれそうで心配なんです〜(涙)」
九条清美 「やっぱり考えすぎ!もし呪われていたとして、それくらいの呪いで飲み込まれて何が最強の萌えレスラーか。全部飲み干してやる! オレを呪うんならその3倍は持ってこい〜!」
蒲池紗枝 「……清美さまっ、ゲームのやりすぎっ!(涙)」
 二人のマニアなコメントに周囲は終始唖然としていた(汗)。

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※試合後のコメントなどで、秋山さん(清美、蒲池PL)の協力をいただいています。
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