時計ジャーナリストが「復刻ブームがつづく2021年の新作時計で、おすすめのモデルは?」のテーマに答えた。菅原茂が選んだ極私的3本は?
名作デザインと最新ムーブメント、
いいとこどりを満喫
過去のデザインが新鮮なヴィンテージルックとして通用するのが時計のおもしろさ。外観はオリジナルと区別できないほど精巧、搭載ムーブメントは最新というのが最近の復刻だ。そしてこの傾向は近づきやすい価格レンジでも加速している。
驚くのはカルティエ
の「タンク マスト」だ。100年以上も前に遡るアイコニックなデザインと組み合わせたのは独自のソーラー駆動ムーブメントである。
1960年代のデザインのみならず、ムーブメントも当時に合わせて手巻きを採用するハミルトンの「イントラマティック クロノグラフ H」 は通好みの秀逸な復刻だ。充実したアーカイブから時計好きを喜ばす復刻を毎年連発するのはロンジン。「シルバーアロー」は1950年代のデザインに最先端ムーブメントを搭載する注目モデル。いずれも30万円前後で「歴史的名作」が手に入るから見逃す手はない!
CARTIER
タンク マスト
オリジナルの「タンク」をベースにしたタイムレスなデザインと、1970年代から80年代に全世界でヒットした「マスト」に着想を得た新作「タンク マスト」が登場。最新モデルは光エネルギーで動く新開発のソーラームーブメント「ソーラービート™」を搭載する。
HAMILTON
イントラマティック クロノグラフH
クロノグラフに自動巻きが登場する前年の1968年に発表された名作を復刻。原型の特徴的なデザインを忠実に再現するだけでなく、当時と同様の手巻きで、約60時間連続駆動の自社仕様ムーブメントまで新開発。
LONGINES
ロンジン シルバーアロー
1956年発売のオリジナルは、当時の人々を熱狂させたレースカーや超音速ジェットに触発されて考案された伝説のモデル。デザインを忠実に再現しながら、シリコン製ひげゼンマイを装備し、約72時間も長時間駆動する最新鋭の自動巻きムーブメントを搭載。